のど飴日記

夏の思い出





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確かまだ21歳だったと思う。その当時はブライアンクロージングというお店でした。
それはアメリカ買い付けの帰国の日に起きた。
ロスの空港近くのモーテルに泊まっていた。その日は素晴らしい青空の広がる
カラッとした朝だった。しかし、その晴天とは裏腹に私のお腹はキュルキュル。
食べ過ぎか何か分からないけどとにかく腹が痛かった。
しかも、宿泊費を払い終えて空港行きのシャトルバスを待っている時だったのだ。
とてもバスに乗ってられないくらいキュルキュルだった。バッドタイミングだ。
やべ~、下痢やかぁ?ちょっと便所に行ってくると皆に告げ敷地内を駆けまわった。
ちょうどそこへ顔なじみの清掃係の男性に会った。片言な英語でキュルキュルを説明し
トイレットを貸してくれないかと尋ねた。彼は快く聞き入れてくれた。
おー、そんなことかい!ちょうどあの部屋がエンプティーだから使いなYO!と
ドアの開いた部屋を指差した。もう歩く度にキュルキュルは激しくなっていたので
彼に礼を言うとその部屋に走り込みすぐさまトイレットに直行した。
オーマイガー!助かったー!という言葉を噛みしめたよ。まぁ下痢でしたけどね。
もう窮地に一生を得た私はしばらくその余韻に浸っていた・・・。
と、その時、バタン!とドアが閉まる音が室内に響き渡った。すぐに会話が聞こえてきた。
オーマイガー!助けてー!と激しく叫んだね。あ、心の中で。
空いてる部屋って言ったのにぃ。宿泊客おるじぇやーん!とてもじゃないが今は出れない。
ファッキューどころじゃ済まんでしょ?謎の東洋人がトイレットから出てきたら。
便を流すことさえ忘れて余韻に浸っていた私は、あぁ~、もうダメかもわからんね~。
21歳、日本人、ロスのモーテル、空き巣と間違われ、打ちのめされる。そんな見出しが
ニュースペーパーに載ったらどうしよう。じっと身を潜め続けました。
体内時計ではもう何十分もフリーズしていたかのような気分でした。
しかも、便を流すことさえ出来ずに(ジャーって音がするからね!)・・・。
と、その時、バタン!とドアが閉まる音がした。果たして二人とも出て行ったのか?
一人だけ出て行ったのか?あ、忘れ物した!って言ってすぐ戻ってこんやか?
いろんなことが頭の中をグルグル駆け巡った。でも、シャトルバス来てるかもしれないし。
もう幾何の猶予もないのは言うまでもありませんでした。私は ごめんくださーい!
と言いながらトイレットのドアを開けました。室内は暗く人の気配はありませんでした。
そして、加速装置のような素早さで外へ飛び出しました!
私の目に飛び込んできたのは、鮮やかなカリフォルニアブルースカイだった。
次に飛び込んできたのは、清掃係の男性のニヒルな笑顔だった・・・。そのスマイルは
どうだい?俺のどっきりは!最高にスリリングだったろぉ~。また来いよ!
とでも言ってるかのようでした・・・。こ、これがアメリカか!と思ったね。 


[08/19 2020]











by bloodandsystem | 2020-08-19 16:32 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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